米海軍のフェラン長官が「即時」退任、米国防総省が発表

画像提供, Reuters
アメリカ国防総省は22日、米海軍のジョン・フェラン長官の退任を発表した。フェラン氏の退任は「直ちに効力を発揮する」と、同省のショーン・パーネル報道官はソーシャルメディアに投稿した。
「戦争長官(国防長官)および戦争副長官(国防副長官)に代わって、フェラン長官が国防総省と米海軍に尽くした奉仕に感謝する。今後の活躍を祈念する」と、パーネル報道官は書き、フン・カオ海軍次官が長官代行を務めると付け加えた。
海軍は、退任理由を明らかにしていない。
フェラン氏の退任は、米・イスラエルとイランの戦争や、重要な海上輸送路であるホルムズ海峡におけるアメリカのイラン港湾封鎖が続く中で発表された。
ここ数カ月の間、米軍高官の退任が相次いでいる。
2日にはピート・ヘグセス国防長官が、ランディ・ジョージ陸軍参謀総長に退任を求めたばかり。
陸軍では最近、デイヴィッド・ホドネ大将とウィリアム・グリーン少将が職を解かれた。
ヘグセス氏は国防総省に入省して以来、海軍作戦部長や空軍副参謀総長ら10人以上の軍高官を解任してきた。
軍歴なし、トランプ氏に巨額献金
海軍長官の職務は主に管理業務で、政策立案のほか、海軍の兵員採用や訓練、装備調達に加え、海軍艦艇の建造や修理、設備などの予算編成や後方支援の監督も含まれる。
フェラン氏は軍歴のない文官として、2024年にドナルド・トランプ大統領の指名を受け、2025年3月に海軍長官に就任した。実業家のフェラン氏は、トランプ氏の選挙活動に対する大口献金者でもあった。
昨年12月、トランプ氏がフロリダ州にある自分のゴルフクラブ「マール・ア・ラーゴ」で、自らの名を冠した海軍の新たな重武装「戦艦」シリーズの承認を発表した際に、フェラン氏は同席していた。この「戦艦」シリーズは「黄金艦隊」の刷新の一環で、フェラン氏が支持していたものだった。
フェラン氏の退任について、トランプ氏が明らかにアメリカの商船隊と民間船隊の拡大を望んでいることが関係していると、かつて米国務省近東局のイラン・イラク担当次官補代理だったアンドリュー・ピーク氏は、BBCに話した。
「その件で進展が見られないことに対する責任を、いずれ誰かが取らされることになるのはわかっていた。おそらく今回の辞任理由の3割は、このことだろう」
続けて、「フェラン氏の後任は、MAGA(アメリカを再び偉大に、の頭文字)の支持層によく知られている。つまり、(辞任理由の)残り7割は、(トランプ氏が)より好んで信頼できる人物に交代するという、単純な話だと思う」とも述べた。
後任のカオ氏とは
後任のカオ氏は、昨年10月に海軍次官に就任した、海軍で25年のキャリアを持つベテランだ。
カオ氏は2024年、ヴァージニア州の連邦上院議員選挙に共和党から立候補した。トランプ氏の支持を得て臨んだものの、民主党の現職ティム・ケイン氏に敗れた。カオ氏は当時、選挙に向けた討論会で、軍の多様性、公平性、包摂性(DEI)に関するイニシアチブを批判した。
AP通信によると、カオ氏は討論会で海軍の採用について言及し、「我々に必要なのは、自分の内臓を引き裂いて食べ、お代わりを欲しがるような、集団の中で最強の支配力を持つ男性や女性だ。戦争に勝利するのは、まさにそうした若い男女だ」と述べたという。
海軍指導部の交代はトランプ氏が、イランとの停戦中も米軍によるイラン港湾の海上封鎖を継続すると表明する中で行われた。世界の石油供給の大半を担う重要な海上輸送路であるホルムズ海峡では衝突が続いている。22日にはイランが、ホルムズ海峡で貨物船2隻を「拿捕(だほ)」したと発表した。
ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は、トランプ氏は米海軍が現在行っているイランの港湾封鎖に「満足」しており、「イランが非常に弱い立場にあることを理解している」と述べた。
アメリカとの和平協議でイラン代表団を率いるモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長は22日、アメリカとイスラエルが「露骨に停戦違反」をしているため、ホルムズ海峡を開放するのが「不可能な」状況だと述べた。









