米軍の港湾封鎖、イランとの合意成立まで解除しないとトランプ氏 2回目の協議開催はなお不透明

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は20日、米軍によるイラン港湾の海上封鎖について、イランとの和平合意が成立するまで解除しないと述べた。米・イスラエルとイランとの戦争終結をめぐっては、新たな協議が行われるのか不透明な状況が続いている。
アメリカは13日から、イランの港湾を出入りする船舶を対象とした封鎖措置を実施している。トランプ氏はこの措置が「イランを完全に破壊している」と、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿。アメリカはこの紛争で「大差で」勝っていると付け加えた。
アメリカとイランが7日に合意した2週間の停戦は、22日に期限を迎える予定。両国はその後、仲介国パキスタンで停戦協議を行ったものの、合意には至らなかった。トランプ氏は先週、協議が再開される可能性を示唆したが、2回目の協議が行われるのかは不透明だ。
パキスタンの首都イスラマバードでは、協議開催を見据えて警備が強化されている。しかし、米代表団を率いる予定のJ・D・ヴァンス米副大統領はまだ米首都ワシントンを出発していない。イラン側も、参加の可否をまだ決定していないとしている。
イラン港湾を封鎖、イラン船の拿捕も
米中央軍(CENTCOM)によると、イラン港湾の封鎖が始まって以降、米軍は計27隻の船舶に対し、引き返すかイランの港に戻るよう指示したという。
19日には米軍が、ホルムズ海峡東側のオマーン湾で、アメリカによる海上封鎖を突破しようとしたイラン船籍の貨物船を攻撃して拿捕(だほ)した。この紛争が始まってから、米軍が船舶を拿捕したのは初めて。
米中央軍が公開した映像には、部隊が当該船に乗り込む前に警告を発する様子が映っているとされる。
イラン政府は、これは「海賊行為」であり、両国間のぜい弱な停戦に違反していると非難した。
イランもホルムズ海峡封鎖を継続
イランは、2月28日に米・イスラエルが開始した対イラン攻撃への報復として、2カ月近く、重要な海上輸送路であるホルムズ海峡を事実上封鎖している。これは、世界的なエネルギー価格の高騰を引き起こしている。
ホルムズ海峡は17日に一時再開された。しかし、海峡内やその周辺を航行するタンカーなどの船舶がイランに標的にされたとの報告があり、すぐに封鎖された。
トランプ氏は、イランが「発砲を決断」し、停戦合意に「完全に違反」したと非難した。
一方でイランは、アメリカがイラン港湾の封鎖を解除するまで、ホルムズ海峡の封鎖を継続するとしている。
2回目の和平協議は
イラン側は代表団の派遣について明言していない。それでも、アメリカとイランによる2回目の和平協議が行われる兆しはある。
11日から行われた1回目の協議の後、ヴァンス米副大統領は、「イランが我々の条件を受け入れるという状況には至らなかった」と述べた。イラン外務省は、「過度な要求や違法な要請」を控えるよう米政府に求めた。
2回目の協議は、実現すれば、極めて重要な局面で実施されることになる。複数の情報筋は20日午後、BBCに対し、米代表団は「間もなく」出発するだろうと、具体的な時間は示さずに語った。米紙ニューヨーク・タイムズは、米当局者の話として、代表団が21日に出発するとみられると報じた。
一方でイラン外務省の報道官は20日夜、「現時点では」イラン側の参加の「予定はない」と述べた。
1回目の協議と同様に、ヴァンス氏にはスティーヴ・ウィトコフ特使やトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が同行する見通し。
イラン代表団が参加する場合、誰が協議に臨むのかはわかっていない。
こうした状況の中でも、イスラマバードでは協議に向けて準備が進められていることがうかがえる。
前回の会場だったセレナホテルでは、宿泊客が退去を求められている。警察は、外国の代表団の到着に向けて主要道路を閉鎖すると発表した。
パキスタン政府高官はロイター通信に対し、同国はイランを協議の場に着かせられると確信していると語った。

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イランの首都テヘランで取材するリズ・ドゥーセット主任国際特派員は、BBCラジオ4の番組「PM」で、予測不能な状況だが、協議が実現する可能性は高まっていると報告。
「外交には一つの鉄則がある。それは、何かが頓挫(とんざ)した際に、その責任を問われる側になりたくないというものだ」と、ドゥーセット特派員は述べた。
「J・D・ヴァンス氏がイスラマバードに来るのなら、イラン側にとって、自分たちが姿を見せないという選択は非常にしづらいだろう」
「それに、双方が確実にここに来るように、パキスタン側には電話が殺到していると思う。会場の準備も整い、警備体制も敷かれ、あとは代表団の到着を待つだけなのだから」











