トランプ氏、来年度の防衛費に1兆5000億ドルを要求 国内支出は削減へ

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バーンド・デブスマン・ジュニア ホワイトハウス担当記者
アメリカのドナルド・トランプ政権は3日、2027会計年度(2026年10月~2027年9月)の政府予算の要望をまとめた「予算教書」を示した。国防費には、前年度比4割増の1.5兆ドル(約239兆円)を連邦議会に要求する。これは、第2次世界大戦以降で最大の軍事支出拡大となる。
トランプ政権が要求する軍事費には、政権が提案するミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム」の予算や、新しい「トランプ級」戦艦を含む海軍艦艇の国内生産拡大の予算が含まれている。これは、国防総省がイランとの戦争のために求めている、2000億ドルの追加予算とは別枠となる。
政権はまた、軍事費拡大とあわせ、気候や住宅、教育関連の一部プログラムを廃止するなど、国内各省庁の支出削減を求める方針だと述べた。
予算要求には米連邦議会の承認が必要となる。
ホワイトハウスが公開した予算教書では、国内の支出削減は「ウォークや、武器化されたもしくは無駄な政府事業の削減もしくは排除を通じ、地方行政の責任を各地の自治体に戻す」ことで実現すると説明している。ウォーク(woke)とは、差別や格差といった社会問題を意識する傾向を指す言葉で、トランプ政権や与党・共和党、アメリカの一部の保守派はこれを批判材料にしてきた。
トランプ大統領は以前から、防衛予算の拡大と、国内の防衛産業基盤の強化を図りたいとしてきた。
4月1日にホワイトハウスで開かれた非公開の昼食会では、今後は軍事支出が国家の最優先課題であるべきだとトランプ氏が話す様子が撮影された。
「保育、メディケイド、メディケア、こうした個別の問題のすべてを、連邦政府が面倒を見ることはできない。州単位で対応できる」と大統領は述べ、連邦政府が対応すべきなのは「軍事的保護」だと話した。メディケイドは低所得者向けの公的医療保険で、メディケアは高齢者及び障害者に対する公的医療保険。
政権が提案した予算では、防衛以外の支出が全体の10%にあたる約730億ドル削減されている。
予算案全体では、前会計年度比42%増にあたる総額4450億ドルとなる。このうち約1兆1000億ドルが国防総省の裁量的支出に割り当てられ、過去最高となる。
さらに、防衛産業基盤向けとして約3500億ドルが計上されており、これは上院で51票の単純過半数で法案通過が可能な「予算調整」と呼ばれる手続きを通じて拠出される。
政権はさらに、兵士の給与引き上げと、艦船建造向けに658億ドルの予算を要求。これにはトランプ氏が「黄金艦隊」と呼ぶ次世代艦艇群が含まれる。政権が昨年12月に公開した、重装備のトランプ級戦艦も含まれる。
トランプ氏は、自分の名前を冠した戦艦を発表した昨年の記者会見で、第1弾となる「ディファイアント」の建造がまもなく始まり、最初の艦が2年半で運用可能になると話していた。
複数の政権関係者は繰り返し、アメリカは艦船建造能力と総生産量の両面で現在、中国に後れを取っていると警告してきた。
さらに、政権は総額が明らかにされていない1850億ドル規模の「ゴールデン・ドーム」予算も要求している。ゴールデン・ドームは次世代ミサイルやドローンからアメリカを守るためのもので、陸上、海上、宇宙に配備される複数層のセンサーと迎撃システムで構成されるとしている。
これについて連邦議会の予算局は、宇宙配備型システムだけでも20年間で5420億ドルに達する可能性があるという試算を示している。
このための最終的な総費用が、アメリカの巨額防衛予算の大部分をいずれ占めることになるかもしれないと、複数の専門家が指摘している。











