NASA「アルテミス」計画の有人宇宙船、打ち上げ成功 10日間で月を回って帰還へ

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月の周りを飛行する米航空宇宙局(NASA)の「アルテミス」計画の第2弾として、宇宙飛行士4人が搭乗した宇宙船が1日午後(日本時間2日午前)、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。宇宙船は地球の周回軌道に入った。
今回の「アルテミス2」計画では、宇宙船「オリオン」に乗った宇宙飛行士4人が今後10日間にわたり、月まで飛行し、引力によって地球へと引き戻される、長いループ状の軌道をたどる。
このミッションでは、月面への着陸はない。しかし、月を回って戻る予定で、人類がこれまでに到達した、地球から最も離れた距離の記録を更新する可能性がある。

宇宙船は最初の24時間は地球の軌道上にとどまり、乗員が状態を点検する。すべて順調となれば、月へ向かう。
月までの飛行には約4日かかる。乗員らはその間、大規模な太陽放射嵐に遭遇した場合の対処など、緊急時の訓練をする。
月への道のりでは、宇宙船は最も遠い地点で地球から約37万キロメートルの距離まで移動し、月の裏側を回る。
月を接近通過(フライバイ)した宇宙船はやがて、地球への帰還経路を補正するため、穏やかにエンジンを噴射する軌道修正燃焼を行う。
そのおよそ4日後、宇宙船はモジュールから分離し、いよいよ地球に帰還する。高速で上層大気に突入する際には、耐熱シールドが白熱して輝く。
その後、宇宙船はパラシュートを開き、速度を低下させて太平洋への着水に備える。海上では米海軍の艦艇が待機し、乗員とカプセルを海から引き上げる。
1日夜の打ち上げは、すべて順調というわけではなかった。打ち上げ前には技術的な問題が発生していた。

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アメリカは50年以上前の「アポロ」計画で、人類を初めて月面に立たせ、歴史をつくった。月面着陸には計6回成功。月探査という課題は、完全に達成されたかのように思われた。
しかし、アメリカは再び、長い年月と何千人もの人員、膨大な費用をかけて、月面着陸、そして将来的には月面基地建設への道を開こうとしている。アルテミス計画はその一環だ。
背景には、月にある水などの資源の確保や、中国との宇宙開発競争、NASAが2030年代までに実現を目指している火星への有人飛行で月を中継地にする計画などがある。











