ロシアの攻撃でウクライナ市民6人死亡 ロシアは復活祭に休戦ではなく攻撃激化を選んだとゼレンスキー氏

ドローン攻撃により大破し焼け焦げた車両の前に、捜査員が集まっている。黒い制服にヘルメットをかぶり、防弾チョッキを着ている

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画像説明, ウクライナ北東部ハルキウでは、「最大規模の」ドローン攻撃があったと、市長が述べた
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サラ・レインズフォード南東欧特派員(キーウ)

ロシアは3日、ウクライナに対し、ミサイルとドローンによる大規模攻撃を行った。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアがイースター(復活祭)休戦ではなく「イースターのエスカレーション」を選んだと非難した。

この日の攻撃では、ロシアからウクライナ各地にドローンとミサイルが発射され、民間人6人が殺害され、40人が負傷した。

かつては日中の大規模攻撃はまれだったが、最近は増加しているといいう。

アメリカが主導してきた戦争終結の取り組みは、ドナルド・トランプ大統領とそのチームの関心が中東での紛争に向いて以来、停滞している。

一方でゼレンスキー氏は、ウクライナ東部の前線での状況が過去10カ月間でウクライナにとって「最も好ましい」とする、イギリスの情報当局の評価に同意した。ロシア軍の前進も鈍化しているように見えるという。

しかし、ロシアによるウクライナ空爆は止まっていない。

首都キーウの西にある中部ジトーミル州では、家屋が一列まるごと破壊され、救助隊が倒壊した家屋の下から生存者を捜索した。

キーウ州では、ドローンが集合住宅に向かって突進し、建物の側面に衝突して火災が引き起こされる様子が撮影された。

北東部ハルキウでは、女性1人が死亡し、複数が重傷を負った。ハルキウの市長は、この日の一連の攻撃を、これまでで「最大規模の一つ」だと述べた。

ミサイル攻撃によって多くの家屋が破壊された町を、上空から撮った写真。完全に破壊されがれきになっている場所や、屋根だけが壊れている家がある

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画像説明, ジトミール州のコロステンでは、多くの家屋が破壊された

ゼレンスキー氏は、この一斉攻撃について、イースターの祝日に一時的に休戦してはどうかという自分の提案に、ロシアは攻撃で反応してきたのだと述べた。ウクライナとロシア双方のキリスト教正教会は、来週末にイースターを祝う。

ゼレンスキー氏はソーシャルメディア「X」への投稿で、「ロシア側は攻撃を強めるばかりで、空が静まるべきこの時をイースターのエスカレーションへと変えた」と書いた。

一方、ウクライナもここ数日、長距離攻撃を複数実施しており、とりわけロシア北部沿岸のエネルギー施設を標的にしている。バルト海に面するウストルガでは、港の一つが複数回ドローン攻撃を受け、ロシアが輸出を停止せざるを得なくなった。

ゼレンスキー氏は、ロシアが同意すれば祝日の休戦提案は依然として有効だと述べ、その意向をスティーヴ・ウィトコフ米大統領特使と、トランプ氏の娘の夫、ジャレッド・クシュナー氏に電話で伝えたとした。

アメリカが仲介するロシアとの対面協議の次期開催は、これまでに2度延期されている。ロシア側は、協議が「保留中」だと述べている。

ゼレンスキー氏は、トランプ氏のチームが和平プロセスを維持するためにキーウを訪れ、そこからモスクワへ往復することを歓迎すると述べた。

しかし、全体的な国際情勢がロシアに有利に傾く中、ロシアが本当に合意を求めているのかどうかについては疑念が残っている。

イランでの戦争で増す懸念

ウクライナにとっての懸念材料は、イラン戦争による燃料の不足と、燃料価格が急騰する可能性だ。ウクライナの前線部隊は、戦車や車両のために大量のディーゼル燃料を必要としている。

反対に、ロシアにとってこれは好材料だ。ロシアはエネルギー輸出の収入を増やし、それを武器生産や兵士の給与に充てることができる。

また、アメリカのパトリオット防空システムの多くが現在、イランとの戦争で使われているため、ロシアがウクライナに向けて撃ち続ける弾道ミサイルを撃ち落とすためのアメリカ製迎撃ミサイルが不足する可能性についても、懸念が出ている。

「中東での戦争が長引けば長引くほど、我々が受け取る兵器が減るリスクは大きくなる」と、ゼレンスキー氏は記者団への録音メッセージで話した。「これは極めて難しい問題で、恐らく最も困難な課題の一つだ」。

ゼレンスキー氏は前線の状況は「安定している」と述べ、地域によっては部隊が小規模ながら前進して領土を掌握している一方、別の地域では後退があると説明。ロシア軍が大々的に突破してくる脅威は、後退したとの見方を示した。

それでも、ウクライナは現在、自軍の大規模な前進ではなく、戦線を維持することに重点を置いているようだ。