ローマ教皇レオ14世、「平和を選ぶ」よう各国指導者に呼びかけ 就任後初のイースターで

白と赤の法衣を着たレオ14世が右手を上げ、目下の群衆に手を振っている。教皇が立つバルコニーには花が飾られている。広場の向こうに見える空は青く晴れている

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画像説明, 聖ペトロ大聖堂の中央バルコニーから聖ペトロ広場に集まった信者に手を振る教皇レオ14世(5日、ヴァチカン)
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キリスト教カトリック教会のローマ教皇レオ14世は5日、就任後初のイースター(復活祭)礼拝をおこなった。ヴァチカンの聖ペトロ大聖堂の中央バルコニーに現れた教皇は、「戦争を巻き起こす力を持つ人」に対し、平和を選ぶよう呼びかけた。

「この祝祭の日、争い、支配、権力へのあらゆる欲望を捨て、戦争によって荒廃し、悪を前に無力を感じさせる、憎しみと無関心が広がるこの世界に、主がご自身の平和を与えてくださるよう祈り求めましょう」と、教皇は述べた。

キリスト教徒にとってイースターは、十字架にかけられ処刑されたイエスが3日後に復活したという、信仰の核心的な教義を象徴するもので、暦の上で最も重要な日。5日には教皇のメッセージを聞くため、数千人の信者が大聖堂前の聖ペトロ広場に集まった。

初のアメリカ出身の教皇であるレオ14世は、米・イスラエルとイランの戦争を厳しく批判している。また、最近の公開演説では世界各地の紛争を非難し、緊張緩和を訴えている。

広場に設置された演台や、参加者の座る列を遠くから撮った写真。大聖堂から広場へとくだる赤、黄色、白、紫の花が飾られている。伝統的な制服を着たスイス衛兵の姿も見える

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画像説明, イースターの礼拝に向け、聖ペトロ広場は色とりどりの花で飾られた(5日、ヴァチカン)

レオ14世は聖ペトロ広場に集まった群衆に手を振った後、ローマと世界に向けたメッセージと祝福「ウルビ・エト・オルビ(都市と世界へ、の意味)」を行った。広場はイースターに向けて明るい春の花々で飾られ、スイセンの列や、数千本の紫、赤、白の花が並べられていた。

教皇は、「私たちは暴力に慣れつつあります。それについて諦め(中略)何千何万もの人の死に、無関心になっています」と述べた。

「武器を持つ人は、それを置いてください。戦争を巻き起こす力を持つ人は、平和を選んでください」

また、イースターの物語について、「キリストが復活されたその力は、まったく非暴力的な力です」と述べた。

一方で、最近の様々な発言とは異なり、特定の国名や紛争は名指ししなかった。

伝統的な白い法衣を着た教皇が、十字架のついた杖を左手に持ち、右手を挙げ、本を見ながら話している。教皇のそばにはヴァチカンの職員が2人立ち、1人がマイクを教皇の前に掲げ、もう1人が本を開いた状態で教皇に見せている

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画像説明, イースター礼拝の中で祝福を行うレオ14世(5日、ヴァチカン)

メッセージでは、昨年のイースター翌日に88歳で亡くなった前教皇フランシスコに敬意を表する場面もあった。前教皇は亡くなる数時間前、イースターのミサのため聖ペトロ広場に出たのが、信者の前に姿を現した最後となった。

ヴァチカン中に鐘が鳴り響き、群衆が拍手を送る中、レオ14世はラテン語やアラブ語、中国語など10カ国語で復活祭のあいさつを述べ、祝福を締めくくった。

教皇はまた、11日に再び大聖堂へ戻り、平和のための祈りの集いを行うと発表した。

広場には信者が座るための椅子が並べられ、いくつかの区画に分かれて管理されている。その区画の間に作られた通路を、白い法衣を着た司祭らが歩いている様子を撮った写真。広場の向こうには青い空が見えている

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画像説明, 広場に集まった人々の間を、礼拝に参加した司祭らが歩いている(5日、ヴァチカン)
黄色と青と赤の派手なストライプの衣服に、甲冑(かっちゅう)と赤い羽根飾りの付いたヘルメットを着け、槍を持った男性たちが整列している

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画像説明, 教皇の警護は16世紀以来、スイス衛兵が行っている(5日、ヴァチカン)

レオ14世はここ数週間、進行中の世界各地の紛争を繰り返し非難している。特に、イースター直前の1週間に行なわれる一連の礼拝や説教を通じ、戦争や苦難への無関心が高まっていると警告してきた。

4日の復活徹夜祭の説教で教皇は、世界的な紛争の規模に心を麻痺(まひ)させず、和解のために積極的に行動すべきだと信者に呼びかけた。

3月31日には、アメリカのドナルド・トランプ大統領に対し、イランとの対立を終わらせるための「出口」を見いだすよう、異例の直接的な訴えを行った。