イランが米軍機を撃墜、不明者の捜索続く イラン・メディアは2機撃墜と報道

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画像説明, 空爆された場所から炎と煙が上がる(3日、テヘラン)
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アメリカのメディアは3日、アメリカのF-15E戦闘機がイラン南部で撃墜され、搭乗していた乗員1人が救出されたと伝えた。イラン国営テレビは同日、アメリカの軍用機2機を撃墜したと報道。1機は同国南西部上空を飛行していたF-15で、もう1機はF-15の乗員救出任務に当たっていた機体だという。

BBCが提携する米CBSニュースによると、F-15には乗員2人が搭乗しており、1人は救出されたものの、もう1人の空軍兵は依然として行方不明。また、2機目のA-10(サンダーボルト2、ウォートホッグ)の操縦士は、ペルシャ湾上空で無事に脱出し、救助されたという。

イラン国営テレビは、生きたまま操縦士を拘束した者に報奨を与えるとしている。捜索救難活動に当たっていた米軍部隊が、銃撃されたという情報もある。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は1日、イランのドローンおよびミサイル能力は「壊滅した」と述べていた。

トランプ大統領は米NBCニュースの電話取材で、今回の戦闘機への攻撃はイランとの交渉に影響するのかと質問され、「いや、まったく。いや、これは戦争だ。我々は戦争しているんだ」と答えた。

米国防総省によると、米・イスラエルがイランとの戦争を2月28日に開始して以来、負傷した米兵は365人(うち陸軍247人、海軍63人、海兵隊19人、空軍36人)に上る。死者は13人。

画像提供, イラン国営放送/ロイター

画像説明, イラン国営メディアによると、3日にイラン中部で撮影されたこの写真は撃墜された米軍機の破片を写したもの。ロイター通信によると、写真に写る機体尾翼の赤い帯は、資料写真に見られるF-15Eストライクイーグルの尾翼と一致している

撃墜されたという戦闘機に搭乗していたもう1人の乗員は所在不明だが、CBSニュースは当局者2人の話として、捜索が続いていると伝えている。

CBSによると、救出作戦にはヘリコプター2機とA-10ウォートホッグ攻撃機が参加していた。F-15Eの操縦士を救出したヘリコプター1機は小火器に攻撃され、搭乗していた隊員が負傷したが、機体は無事に着陸したという。

またCBSは、A-10ウォートホッグも被弾したが、操縦士はペルシャ湾上空で脱出後に救助されたと報じている。

イラン軍は国営メディアを通じて、A-10ウォートホッグを撃墜したと主張しているが、これがCBSが報じた機体と同じものかは分かっていない。

内容が確認されている映像には、イラン西南部フーゼスタン州で撃墜された戦闘機の乗員を捜索していると思われる、アメリカの航空機1機とヘリコプター2機が映っていた。

捜索が続く間、イスラエル軍がこの地域での攻撃を控えているとの報道もある。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルの攻撃によってイランの鉄鋼生産能力の70%が破壊されたと主張し、イスラエルとアメリカは今後も同国を「粉砕し続ける」と述べている。

イスラエル国防軍(IDF)はこの日、イランの首都テヘランを攻撃したと発表。過去24時間で「イラン西部および中部において、弾道ミサイル発射拠点や無人航空機を標的に、攻撃を70回以上」を実施したという。別の発表では、レバノンの首都ベイルートの一部地域で「ヒズボラのインフラ」への攻撃を開始したとしている。ヒズボラはイランと同盟するイスラム教シーア派組織。

動画説明, イラン南部上空を飛ぶ米軍機の様子

BBCヴェリファイ(検証チーム)は、撃墜されたF-15戦闘機の乗員を捜索・救助するため、アメリカの航空機1機とヘリコプター2機がイラン南部上空を飛行しているように見える映像の内容を検証した。

この映像は、フーゼスタン州のカルーン川に架かる橋の近くで撮影されたものだと確認できた。撮影地点は、北緯31.591393度、東経50.275430度。

この映像については、最近撮影されたものか、人工知能(AI)による改変の痕跡がないかどうかも検証した。

米空軍パラレスキュー・ジャンパー部隊の元司令官はCBSに、専門の戦闘捜索救難部隊がヘリコプター「ブラックホーク」で現地一帯を捜索すると話した。

元司令官によると、救助対象がヘリコプターでは到達できない地域にいる場合、複数の攻撃機AC-130「ガンシップ」から部隊が降下し、地上で救助活動にあたると説明した。

地上に降りたパラレスキュー・ジャンパーは、行方不明の乗員と接触し、必要に応じて医療処置を施し、敵を回避または抑止しながら、救出可能な地点まで移動することを目指すという。

パラレスキュー隊員の任務は「過酷で極めて危険」以上のもので、隊員たちは「空軍のスイス・アーミー・ナイフ」と呼ばれるのだと、元司令官は話した。