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イランのホルムズ海峡めぐる対応、「合意と違う」とトランプ氏 イスラエルはレバノンでの停戦を否定
アメリカのドナルド・トランプ大統領は9日、重要な海上交通路のホルムズ海峡を通じた原油輸送について、イランが「とてもひどい対応」をしていると非難し、「これは合意した内容と違う」と主張した。一方でイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イランと協力関係にあるレバノンのイスラム教シーア派武装勢力ヒズボラとの戦闘をめぐり、直接協議を開始するよう内閣に指示した。ただし、レバノンでの停戦の可能性は否定した。
トランプ氏は同日、イランに対し、ホルムズ海峡を通る船舶に通行料を課すのは「やめたほうがいい」とも述べた。米政府は前日には、同海峡を通過する船舶から収益を得る案をトランプ氏が「提案」していると述べていた。
イラン国営メディアは同日、ホルムズ海峡の管理が「新段階へ移行する」という最高指導者モジタバ・ハメネイ師の声明を伝えた。
アメリカとイランは、同海峡の再開放などを条件とした2週間の停戦合意を、7日夜に発表したばかり。合意条件については、両国の食い違いが報じられている。
「合意と違う」対応とトランプ氏、通行料は「やめたほうがいい」と
トランプ氏は9日、自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「ホルムズ海峡を通じた原油輸送を認めることに関して、イランはとてもひどい対応をしている。不名誉な対応だと言う者もいるだろう」と述べた。「これは合意した内容と違う」とも主張した。
また、イランはホルムズ海峡を通る船舶に通行料を課すのは「やめたほうがいい」とも述べた。
「イランがホルムズ海峡を通るタンカーから(通行料を)徴収しているとの情報が複数ある」とし、「そんなことをしていたらまずいし、もししているなら、今すぐやめたほうがいい」と、トランプ氏は投稿した。
イラン政府は、アメリカとの停戦合意の一環としてホルムズ海峡を再び開放すると表明する一方、許可なく通過する船舶を攻撃すると脅している。また、通行料を課す方針も示している。
BBCヴェリファイ(検証チーム)は、9日に少なくとも9隻の船舶がホルムズ海峡を通過したことを確認している。
米大統領報道官は8日、同海峡を通過する船舶から収益を得るという案をトランプ氏が「提案」していると述べていた。
イラン最高指導者、ホルムズ海峡の管理を「新たな段階へ移行」と
イラン国営メディアは9日、最高指導者モジタバ・ハメネイ師の声明を相次いで伝えた。モジタバ師の声明はこれまでと同様、書面によるものだった。モジタバ師は、父アリ・ハメネイ師が2月28日に殺害された際の攻撃で負傷して以来、公の場に姿を見せていない。
声明の中でモジタバ師は、この戦争に「勝利した国」はイランだと主張した。
モジタバ師は、イランの体制は「受けた損失の一つひとつに対する補償」と、「この戦争で負傷した人々への損害賠償」を求めるとした。
また、「ホルムズ海峡の管理を新段階へ移行させる」としたが、具体的な内容は明かさなかった。
親イラン派の抗議者に対しては、「公共の場で声を上げることが、交渉の結果に影響を与える」として、街頭に繰り出すよう呼びかけた。
声明は、イランは「戦争を求めたことは一度もなく、今も求めていない」ものの、「正当な権利の追求を、どのような形だろうと、後退させるつもりはまったくない」と主張した。これには、イランの同盟勢力や同地域の代理勢力を含む「抵抗戦線全体」が含まれるという。
米中央軍、戦闘停止も中東で「即応体制」を維持
米中央軍は9日、アメリカは戦闘を停止したが、中東地域で即応体制を維持していると明らかにした。
米中央軍のブラッド・クーパー司令官は動画による最新報告の中で、アメリカは「現在進行中の停戦に従い、攻撃作戦を一時停止した」と述べた。
クーパー司令官は、「イランは世代を超えた軍事的敗北を喫した」としつつ、米軍は中東地域で「プレゼンスと警戒」を維持し、「要請があれば対応できる」態勢にあると付け加えた。同地域のパートナー国と今後も「協力し合い、抵抗していく」という。
イスラエルがレバノン攻撃を「縮小」とトランプ氏、ネタニヤフ氏は停戦を否定
トランプ氏は米NBCのインタビューで、アメリカとイランの今後の交渉を前に、イスラエルの首相はレバノンへの空爆を「縮小」する考えだと話した。
インタビューの前にネタニヤフ氏と電話で協議したトランプ氏は、「ビビ(ネタニヤフ氏の愛称)と話したが、彼は対応を抑制するつもりだ。ともかくこちらは、もう少し抑制する必要があると思う」と述べた。
パキスタン・イスラマバードで11日から行われるアメリカとイランの協議については、和平合意の成立を「とても楽観視」しているとした。
トランプ氏は、イランは「同意すべきことに全て同意している」だと述べ、イラン当局者は報道陣がいないところでは「はるかに理性的」だと話した。
イランと協力関係にあるレバノンのヒズボラとの戦闘が続くイスラエルのネタニヤフ首相は、レバノン側との直接協議を「できるだけ早く」開始するよう内閣に指示したと明らかにした。
ヘブライ語でソーシャルメディアに投稿された声明によると、ネタニヤフ氏は、レバノンから直接交渉を求める「要請が繰り返し」があったことから、前日に内閣へこれを指示したという。
ネタニヤフ氏は、協議の焦点は「ヒズボラの武装解除と、イスラエルとレバノンの平和的関係の確立」になると付け加えた。
一方でネタニヤフ氏は、イスラエル北部の住民に向けたメッセ―ジの中で、「レバノンでの停戦はない」と強調した。
イスラエル首相官邸が発表したメッセージの中で、ネタニヤフ氏は「我々はヒズボラに対する武力攻撃を継続する。みなさんの安全が回復するまで止めない」と述べた。
また、イスラエルの目的はヒズボラの武装解除と、「イスラエルとレバノンの歴史的かつ持続可能な和平合意の確保」だと、改めて表明した。
イスラエルのレバノン攻撃続く
こうした中、イスラエル国防軍(IDF)は、レバノンへの空爆を改めて開始したと発表した。ヒズボラに関係する施設を標的としたものだという。
IDFは声明で、「先ほど、レバノン国内のヒズボラの発射拠点への攻撃を開始した」と説明した。
イスラエルは先に、ヒズボラの「軍事インフラ」を空爆するとして、レバノンの首都ベイルート南郊の一部地域に避難命令を出していた。
IDFのアラビア語報道官アヴィチャイ・アドラエ氏は、対象地域の住民に対し、イスラエルは「皆さんに危害を加えるつもりはない。(中略)そのため、皆さんの安全のため、直ちに避難してください」と伝えた。
レバノン国営メディアは、戦闘機が複数の都市を標的にし、民家が破壊され、複数の負傷者が出たと、ソーシャルメディアに投稿した。
現場を捉えた複数の画像には、レバノン南部の村ががれきと化した様子が写っている。
ヒズボラがイスラエル北部に報復攻撃
イスラエルの攻撃を受け、ヒズボラはイスラエル北部に向けてロケット弾を発射した。
北部ハイファでは警報が鳴り響いたと、イスラエル・メディアは伝えた。イスラエルの救急当局は9日夜の時点で、死傷者は報告されていないとした。
ヒズボラ系テレビ局アル・マナールは、ヒズボラの声明を伝えた。それによると、ハイファを標的に「高性能ミサイルの集中攻撃」を実施した。
ヒズボラは、自分たちは「停戦に従ったが、敵が守らなかった」ため攻撃を仕掛けたとしている。
同組織は別の声明で、レバノン南部ビント・ジュベイルにいるイスラエル兵に対してロケット弾を発射したとも主張。IDFはこれについてコメントしていない。