トランプ氏、イランとの停戦延長を発表 「議論の結論出るまで」と

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アメリカのドナルド・トランプ大統領は21日、イランとの停戦を延長すると発表した。仲介国パキスタンの要請を受けたもので、和平に向けたイランの統一案が出され、議論の結論が出るまでとしている。イランの港湾に出入りする船舶に対する封鎖措置は継続するという。

トランプ氏は自らのソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「イラン政府が予想通り深刻に分裂しているとの事実に基づき、そして、パキスタンのアシム・ムニール参謀長およびシャバズ・シャリフ首相の要請を受け、我々はイランに対する攻撃を、同国の指導者および代表者らが統一案を提示するまでの間、停止するよう求められた」と投稿。

「これにより、私は軍に対し、封鎖を継続し、その他すべての面で準備と能力を維持するよう指示した。また、向こう(イラン)の案が出され、なんらかの形で議論の結論が出るまで、停戦を延長する」と表明した。

アメリカとイランが7日に合意した停戦は、22日に期限を迎える予定だった。両国はこの間、パキスタンで和平協議に臨んだが合意には至らず、2回目の協議が近く同地で開かれるのかが焦点となっていた。

トランプ氏の停戦延長の発表後、米ホワイトハウスは、J・D・ヴァンス副大統領のパキスタン訪問が中止されたと明らかにした。ヴァンス氏は1回目の和平協議と同様、次の協議でも米代表団を率い、22日にもパキスタン入りする見通しだった。

BBCがアメリカで提携するCBSによると、米政府関係者は「対面協議に関する最新情報はホワイトハウスから発表される」と話した。

トランプ氏の発表後の現地時間22日未明の時点で、イランの外務省や、協議代表団トップのモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長は反応を示していない。

また、複数のイラン当局者がトランプ氏の発表後にソーシャルメディアで発言しているが、停戦の延長には触れていない。

1回目の協議でイラン代表団の一員だったマフムード・ナバヴィアン国会議員は、「今後」のアメリカとの協議は「純粋に有害かつ非合理的」だとXに投稿した。

イランの軍最高司令部ハタム・アル・アンビヤ中央本部の報道官は、同国に対する攻撃があった場合、軍が「あらかじめ定めてある標的を攻撃し、アメリカとイスラエルに新たな、いっそう厳しい教訓を与える」と警告した。

パキスタンと国連は停戦延長を歓迎

パキスタンのシャリフ首相は、期限切れ直前に停戦を延長するとトランプ氏が発表したことについて、同氏に感謝の意を表明した。

シャリフ氏は、「進行中の外交努力を順調に進めるための停戦の延長要請を、寛大にも受け入れたトランプ大統領に、心から感謝する」と、ソーシャルメディアで声明を発表。「寄せられた信頼と期待に応え、パキスタンは協議による紛争解決に向け、引き続き真剣な努力を続けていく」と述べた。

「双方が引き続き停戦を順守し、紛争の恒久的な終結に向けてイスラマバードで予定されている2回目の協議におにて、包括的な『和平合意』を締結できるよう、心から願っている」

国連のアントニオ・グテーレス事務総長も、トランプ氏による停戦延長の発表を歓迎した。

国連のステファン・デュジャリック報道官は、「これは緊張緩和に向けた重要な一歩であり、イランとアメリカの外交および信頼醸成のための重要な余地を生み出す」とコメント。グテーレス事務総長がパキスタンによる仲介を支持しており、同国の取り組みによって「紛争の包括的かつ永続的な解決」に向けた状況がつくり出されることを期待していると述べた。

BBCのサラ・スミス北米編集長は、トランプ氏による停戦の延長について、発表の数時間前までの立場を一転させたものだと説明。この日朝の米CNBCのインタビューでトランプ氏は、「爆撃するつもりだ」、「(軍は)出撃の準備万端だ」と述べ、イランのすべての橋や発電所を破壊するとの脅しを繰り返していたと指摘した。

そのうえで、トランプ氏はこの紛争を通し、敵意むき出しの脅しでイラン政権を威嚇(いかく)してきたが、現時点では、イランへの攻撃を本当は再開したくないと思われると解説した。

BBCのホワイトハウス担当のバーンド・デブスマン・ジュニア記者は、イランの港湾を出入りする船舶に対する封鎖は依然として続くと指摘。イランはこれを戦争行為とみなしており、今後の協議で障害となり続ける可能性が高いとした。

また、イランの今後について、事態をエスカレートさせるか、ペルシャ湾やホルムズ海峡である種の「冷戦」を継続させることを選ぶかもしれないと説明した。