ヴァンス氏率いる米代表団、11日からイランと協議 不透明なホルムズ海峡開放など焦点
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米ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は8日、アメリカとイランの協議が11日からパキスタンで行われるとし、米代表団はJ・D・ヴァンス副大統領が率いると明らかにした。不透明なホルムズ海峡の開放などが焦点になるとみられる。
レヴィット報道官は、アメリカとイランの停戦により、中東地域における永続的な平和の始まりになり得る「機会」が生まれたと、記者団に述べた。
米・イスラエルとイランとの戦争をめぐっては、アメリカとイランが7日、重要な海上輸送路であるホルムズ海峡の再開放などを条件とした、2週間の停戦で合意。詳細を「最終確定」させるため、パキスタンの首都イスラマバードで交渉を行うとしていた。
ただ、今回議論される和平案の詳細は不透明なままだ。戦略的に極めて重要なホルムズ海峡における船舶の航行をめぐる現状もはっきりしない。
アメリカは「勝利」宣言、イランは船舶に警告
ホワイトハウスの発表に先立ち、イラン軍はホルムズ海峡周辺の船舶に対し、許可なく同海峡の通過を試みれば「破壊される」だろうと警告していた。
しかし、レヴィット報道官は、イランが公に述べていることと「非公開の」やり取りの内容は「異なる」と述べた。
レヴィット氏はこの日、ホワイトハウスで比較的短時間の記者会見を行い、アメリカの「勝利」を宣言。イランに対する「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」の主要な軍事目標が達成されたとした。これらの目標には、イラン海軍やドローン、弾道ミサイル計画の破壊が含まれる。
停戦の発効を受け、ヴァンス副大統領はスティーヴ・ウィトコフ特使、トランプ氏の娘の夫ジャレッド・クシュナー氏と共にパキスタンへ向かい、イラン側の担当者と対面で協議することとなった。
協議の詳細や、具体的な提案内容は明らかになっていない。
レヴィット報道官は、イラン側の10項目の提案だとしてメディアが報じた内容は不正確だと主張。イランの当初の提案は「根本的に真剣さが欠けた」もので、却下されたと付け加えた。
レヴィット氏によると、トランプ氏がイランと合意に至らなければ「一つの文明がまるごと滅びる」ことになると警告したことを受け、イラン政府は「修正」案を提示してきたという。
「トランプ大統領がイラン側の要求リストを合意として受け入れるなどという考えは、まったくばかげている」とも、レビット氏は述べた。
イランはホルムズ海峡を通過する船舶に警告を発している。しかし、レヴィット氏は、イランが同海峡の開放に同意したと記者団に述べた。
ホワイトハウスの勝利宣言と、イランが船舶に向けて発したメッセージとの明らかな乖離(かいり)について質問がおよぶと、レヴィット氏は、トランプ氏はイランに「責任を取らせ」、ホルムズ海峡が「迅速かつ安全に」開かれることを期待していると答えた。
アメリカとイランの停戦合意は、7日夜に発表された。この日の朝の時点では、トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、「今夜、一つの文明がまるごと滅び、二度と回復しない」と警告していた。
この投稿は、米政界の与野党双方からの批判を招いたほか、アメリカの攻撃がイランのインフラに拡大すれば人道上の問題を引き起こすとの懸念も生んだ。
レヴィット氏はトランプ氏について、イランの「ならず者政権」に対して「道義的な優位性」を保っているのだと擁護した。
そして、トランプ氏の「非常に強硬な発言と強硬な交渉スタイルこそが、皆さんが今日目にしている結果をもたらした」と述べた。
トランプ氏、NATOトップと会談
トランプ氏は8日、ホワイトハウスで北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長と会談した。
トランプ氏はかねてからNATOについて、イランとの紛争でアメリカを支援せず、ホルムズ海峡の再開放にも協力しなかったと批判してきた。
ルッテ氏は会談後、トランプ氏とは明らかな意見の相違はあったものの、「非常に率直」で「非常にオープンな」会談だったと、米CNNに語った。
一方で、会談を終えたトランプ氏は、「我々がNATOを必要とした時に、彼らはそこにいなかった。もしまた必要になっても、彼らはいないだろう」とトゥルース・ソーシャルに投稿した。
トランプ氏は以前、複数のNATO同盟国から、この戦争に関与したくないと言われたと明かしていた。多くの国は不必要な戦いだと考えている。
トランプ氏とNATOの関係は、イランでの紛争が始まる以前から悪化していた。要因の一つには、デンマーク自治領グリーンランドの扱いをめぐる対立がある。トランプ氏は、欧州の同盟国から強い反発が上がっているにもかかわらず、グリーンランドを取得する意向を繰り返し表明していた。
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