マクロン氏、イラン戦争めぐりトランプ氏に「まじめ」な対応要求 「毎日話さない」ことも必要と
画像提供, Reuters
ラウラ・ゴッツィ
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は2日、イラン戦争については日々一貫した「まじめ」な対応が必要だと述べ、イランについて頻繁に言うことが変わるドナルド・トランプ米大統領を暗に批判した。訪問先の韓国で、記者団に話した。
「これは見世物ではない。これは戦争と平和で、大勢の命がかかっている」とマクロン大統領は言い、「まじめに行動したいなら、前日と正反対のことを毎日のように発言したりしないことだ」と指摘した。
「そして、毎日発言するのも、もしかすると控えた方がいい。事態が落ち着くのを、ただ待つべきだ」とも付け加えた。
マクロン大統領は、開戦から2カ月目に入った米・イスラエルのイラン戦争について、記者団の質問に答えていた。フランスや他の欧州諸国は、中東地域でアメリカの作戦行動の一部は支持してきたが、これまでのところ戦争に引きずり込まれることには抵抗している。
トランプ大統領とその政権は、この紛争についてこれまで一貫しないメッセージを発してきた。停戦が間近だと示唆したこともあれば、すでに戦争に勝利したと主張したり、あるいは米軍が戦闘を継続するとも示唆したりしてきた。
マクロン大統領はまた、アメリカの北大西洋条約機構(NATO)離脱を再検討しているというトランプ氏の最近の発言にも言及。「NATOのような同盟は、言葉にされない部分、つまりその背後にある信頼があるからこそ、価値がある」のだと言い、アメリカがNATOにもはや注力しないのではないかと疑わせること自体、同盟を空洞化させると主張した。
同盟国というのは協定に署名し、いざ問題が生じた際に実際に行動するものだとマクロン氏は言い、「同盟について毎日、尊重するかしないか発言するものではない」と指摘。「おしゃべりが多すぎる。あまりに散漫だ」とも話した。
マクロン大統領は、アメリカとイスラエルが「自分たちだけで決めた」作戦について、自分はコメントするつもりはないと発言。「自分たちだけで決めておいて」、「それで自分たちだけで決めた作戦に、自分たちしか参加しないと嘆いている。これは我々の作戦ではない」と述べた。
さらに、アメリカが2025年6月に実施した対イラン攻撃でイランの核施設を「壊滅させた」と、トランプ氏が主張したことにも、マクロン氏は言及した。トランプ氏は昨年夏の発言とは裏腹に、今年2月末の開戦にあたり、「イランの核兵器計画を攻撃する最後で最善の機会」だったと主張した。
これについてマクロン氏は、「6カ月前には、すべてを破壊した、すべて片付いたと言われていたのを思い出してほしい」と指摘。イランにおける核開発の状況を確認するためには、国際的な査察が必要で、ウラン濃縮の継続を防ぐ枠組みが必要だとも主張した。
「(イランには)知識を持った人々や、隠された研究施設などが今も、そして将来的にも、存在し続ける。標的を絞った数週間の軍事行動だけで、核問題を恒久的に解決することはできない」と、マクロン氏は述べた。
トランプ大統領は、イラン戦争で十分な支援をしていないとしてフランスを非難し続けている。1日の非公開の昼食会では、フランス語なまりをまねてマクロン大統領を嘲笑し、その妻ブリジット氏が「彼をひどく扱っている」と発言。マクロン大統領が「右からあごへの一撃から、まだ回復中だ」と笑った。
トランプ大統領は、2025年にブリジット氏がマクロン氏の顔を押す様子を撮影した動画に言及していた可能性がある。
マクロン大統領はトランプ氏のこうした発言について、「優雅でもなければ適切でもない」と一蹴し、「返答しない。答えるに値しない」と述べた。
マクロン大統領の結婚生活に関するトランプ氏の発言に、フランスの世論は異例なほど強く反発している。マクロン批判で知られる人々さえ、擁護の声を上げた。「ドナルド・トランプがそのように彼に話し、妻についてそのような言い方をするのは、まったく容認できない」と、急進左派「不屈のフランス」のマニュエル・ボンパール氏は述べた。
イラン政府は、自国への攻撃への報復として、世界のエネルギー供給が多く通過する重要な水路のホルムズ海峡を閉鎖した。閉鎖が早期に解決しない場合について、トランプ大統領は、混乱の影響を最も受ける国々が自分で問題を解決するようにと発言している。
これに対しマクロン大統領は、海峡を再開させるための軍事作戦は時間がかかりすぎ、危険すぎるとして「現実的ではない」と反論。海峡を通過しようとする船舶は、「戦力や弾道ミサイルなどを多く持つ(イスラム)革命防衛隊に、沿岸から攻撃するリスクにさらされてしまう」と指摘した。
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