トランプ氏、ボンディ米司法長官を解任 長年の盟友
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アメリカのドナルド・トランプ大統領は2日、パム・ボンディ司法長官を解任した。ボンディ氏はトランプ氏の長年の盟友で、トランプ政権を熱烈に支持してきた。
トランプ氏は自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、ボンディ氏が民間に「移行」すると明らかにした。移行先は「近い将来発表される」とした。
同時に、ボンディ氏が「国内各地で大規模な犯罪取り締まりを指揮し、素晴らしい仕事をした」とし、長官としての成果をたたえた。
ボンディ氏は在任中、性犯罪者ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)関連の資料公開や捜査をめぐってたびたび批判されてきた。
トランプ政権高官の解任は、ここ数週間で2人目。3月には、国土安全保障省のクリスティー・ノーム長官が職を解かれた。
ボンディ氏の職務は、トッド・ブランチ司法副長官が長官代行として引き継ぐ。ブランチ氏はかつて、トランプ氏個人の顧問弁護士だった。
ボンディ氏は、ブランチ氏への引き継ぎに「休まず当たる」とし、長官の仕事は生涯の「名誉」だったとコメントした。
また、新しい民間部門での職務においても「トランプ大統領とこの政権のために闘い続ける」と表明した。移転先は明らかにしなかった。
ボンディ氏は2月の連邦議会下院の公聴会で、エプスティーン元被告の資料公開をめぐって議員らから攻撃的な質問を浴びせられ、怒鳴り合いの中で民主党議員の一人を「落ちぶれた負け犬」と呼ぶなどした。それから2カ月たたずに、今回の解任が発表された。
トランプ氏は2日朝まではボンディ氏を、「素晴らしい人物で良い仕事をしている」と擁護していた。しかし、同日中に解任に転じた。
エプスティーン・ファイル公開めぐり不満か
報道によると、トランプ氏は特に「エプスティーン・ファイル」への対応をめぐって、ボンディ氏に次第に不満を募らせるようになっていたという。
ボンディ氏は昨年2月の長官就任時、エプスティーン元被告の事件の透明化を誓い、元被告の顧客リストとされるものを公開すると約束した。
しかし、司法省はその後、そうしたリストは存在しないと説明した。
そうしたなか、資料公開を求める声がトランプ支持者らからも高まり、議会は司法省に対して機密扱いではない資料の公開を義務付ける法案を可決。それを受け、元被告関連の資料が数百万点公開された。
資料の一部は、被害者の身元情報を明らかにしないことが法律で義務付けられているにもかかわらず、無処理のまま公開された。一部の議員は、ボンディ氏と司法省の落ち度だと批判した。
司法省に対しては、法律を完全に順守せず、不適切に資料を非公開にしているとの指摘も議員らから出ている。同省はこれを否定している。また、同省とボンディ氏が、被害者より被害者以外の人々の身元保護に多くの気を使っているとの非難もある。
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ボンディ氏と緊密に連携してきた与党・共和党の関係者らは2日、同氏を称賛するコメントを出した。
司法省のブランチ副長官は、「パム・ボンディは、強さと信念を持ってこの省(司法省)を率いた。彼女のリーダーシップと友情に感謝している」とソーシャルメディア「X」に投稿した。
一方、解任を喜ぶ声も上がった。
エプスティーン文書の扱いをめぐってボンディ氏を常々批判してきた野党・民主党のトーマス・マッシー下院議員(ケンタッキー州)は、「次の司法長官には、法律に従ってエプスティーン・ファイルをすべて公開し、捜査、起訴、逮捕へとつなげてほしい」とXに投稿した。
ボンディ氏への非難は、共和党の議員からも。同党のナンシー・メイス下院議員(サウスカロライナ州)は、「有罪の人物の責任を追及するための、あらゆる動きを妨害した」とボンディ氏を批判。同氏による資料の取り扱いが、トランプ氏を「著しく傷つけた」とした。
エプスティーン元被告の被害者らはBBCの取材に対し、ボンディ氏が自分たちと面会せず、メールにも返信していないと批判。元被告の問題がトランプ氏にとって政治的なマイナス要因になっていると述べた。
ボンディ氏は、元被告を「怪物」と呼んでいる。また、被害者らに対しては、虐待について心を痛めていると発言していた。
ボンディ氏は、元被告の事件の捜査について説明するよう、連邦議会の委員会から召喚されており、今月中に公聴会に出席の予定だった。
ボンディ氏の指揮下で、司法省は、トランプ氏の政敵に対し刑事捜査を進めてきた。アダム・シフ上院議員(カリフォルニア州)、レティシア・ジェイムズ・ニューヨーク州司法長官、ジェイムズ・コーミー元連邦捜査局(FBI)長官などが標的にされた。
司法省はまた、今年1月にミネソタ州ミネアポリスで連邦移民当局職員が2人を射殺した事件の捜査対応をめぐっても批判された。この事件はその後、全国各地でデモを引き起こした。
トランプ政権の2期目は、1期目に比べて高官の解任が少ない。評論家や政治戦略家らは、トランプ氏の対応には1期目より規律があり、混乱も少ないと指摘していた。
ボンディ氏は、トランプ氏の最初の弾劾裁判や、トランプ氏が2020年大統領選は不正選挙だと虚偽の主張をした際、その弁護団に加わった。
ボンディ氏はまた、トランプ氏の口止め料をめぐる裁判でも、ニューヨークの裁判所に姿を見せ、トランプ氏を公に支持した。この裁判は昨年5月、業務記録への虚偽記載など34件の罪状すべてで有罪評決が出された。トランプ氏はこれを不服として控訴している。
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