はしか疑いで1カ月で100人以上の子どもら死亡、バングラデシュ 緊急予防接種を実施

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コー・ユー記者、BBCベンガル語

バングラデシュで、はしか(麻疹)とみられる感染症の流行が急速に拡大しており、子どもを中心に100人以上が死亡している。同国における近年で致死率が最も高い流行となる恐れがあり、当局は5日、緊急予防接種キャンペーンを開始した。

バングラデシュ保健省によると、はしかとみられる症例は、3月15日以降で7500件以上に上っている。

現地メディアによると、そのうち900件以上が、はしかと確認されている。昨年1年間に記録されたはしかの感染は125件で、急増ぶりが鮮明になっている。

バングラデシュでは、感染力の極めて強いこの病気に対して長年、子どもを対象とした予防接種を実施してきた。しかし今回の流行で、予防接種に空白があったことがあらわになり、懸念が高まっている。

国連児童基金(ユニセフ)バングラデシュ事務所のラナ・フラワーズ代表は5日に声明を出し、「子どもの生存にとってワクチンは不可欠だ」と強調。現在のはしかの流行が「何千人もの子どもたち、特に最も幼くて弱い子どもたちを、深刻な危険にさらしている」と付け加えた。

なぜバングラデシュで急増しているのか

人口約1億7000万人のバングラデシュでは、生後9カ月以降の子どもを対象に、はしかワクチンの定期接種を実施している。

保健局のシャリアール・サジャド副局長がBBCベンガル語に説明したところでは、最近の流行の感染者の約3分の1は生後9カ月未満だという。

ユニセフのフラワーズ氏は、「定期接種の対象年齢に達していない」こうした乳幼児の感染は「特に憂慮すべきだ」と述べた。

バングラデシュでは定期接種に加え、はしかの特別予防接種キャンペーンを4年ごとに実施している。

しかし、こうしたキャンペーンは計画通りには進んでいない。

保健局のサジャド氏は、2020年以降は新型コロナウイルスと「政治情勢」の影響で、特別予防接種キャンペーンは実施されていないとBBCベンガル語に話した。

バングラデシュでは2024年、大規模な反政府デモが続き、長年政権を握っていたシェイク・ハシナ首相が失脚するなど、政情が激動した。ハシナ氏の失脚後は暫定政権が国政を担い、今年2月にようやく、選挙を経て新政権が発足した。

サジャド氏によると、今月にはしかの予防接種キャンペーンが予定されているが、「実施されていない」という。

現地紙デイリー・スターは保健当局者の話として、はしかを含めたワクチンが調達面の問題によって不足していると報じている。

同国のワクチン不足については、新たな調達システムを導入した暫定政権の責任だとする向きが国内では多い。

だがユニセフは声明で、はしかの再流行は「通常、単一の要因ではなく、蓄積された空白の結果だ」と説明。

「バングラデシュはこれまで高い予防接種率を維持してきた実績があるが、わずかな途絶であっても、時間の経過とともに免疫の空白として徐々に蓄積されていく」とした。

バングラデシュはどう対応しているのか

バングラデシュはユニセフや世界保健機関(WHO)などの国際機関と協力し、はしかと、はしかに似た症状が出る比較的軽い感染症の風疹に対する、緊急予防接種のキャンペーンを5日に開始した。

このキャンペーンは、バングラデシュの30のウパジラ(郡)で展開し、生後6カ月~5歳の子ども120万人以上を対象としている。

ユニセフによると、「定期予防接種を受けておらず、重症化や合併症のリスクが最も高い子どもたち」が優先されるという。

また、人口密度の高い首都ダッカと、少数民族ロヒンギャの難民キャンプが密集するコックスバザールで、特に重点的に実施される。

保健当局は、はしかの見分け方や予防法を教える視覚的な資料も作成・公開している。

どんな病気なのか

はしかは感染力が非常に強く、空気感染する病気だ。重い合併症を引き起こし、死に至ることもある。

一般的な症状には次のものがある。

高熱

目の痛み、充血、涙目

せき

くしゃみ

WHOによると、2024年には世界中で推定9万5000人が、はしかで死亡した。大半は5歳未満の子どもだった。

はしかはワクチン接種によって感染を予防できる。WHOによると、感染拡大を防ぐには、人口の95%がワクチン接種を受ける必要がある。

世界中で感染が増加しているのか

過去20年間、はしかの世界的な感染者数および死者数は大幅に減少した。

WHOによると、2024年の世界のはしか感染者数は1100万人と、2000年の3800万人から大幅に減った。

しかし、世界の一部地域ではしかのワクチン接種率が低下しており、再流行の恐れがあるとWHOは警告している。医学誌ランセットによると、2024年と2025年には、過去20年以上で最多となる、はしかの流行が世界で確認された。

アジアやアフリカの一部の国々と、欧州諸国、アメリカ、イギリスで、はしかの症例が増えている。欧米では特に新型コロナウイルスのパンデミック以降、ワクチンに対する懐疑的な見方が強まっている。

今年2月には、ロンドン北部のいくつかの学校で、はしかが大流行した。英保健当局はこれを受け、子どもにワクチン接種を受けさせるよう保護者に改めて呼びかけた。