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【2026年サッカー男子W杯】チケットの一般発売始まる、決勝試合は最大1万990ドル
デイル・ジョンソンBBCスポーツ・サッカー関連担当編集委員
2026年サッカー男子ワールドカップ(W杯)一般向けチケットが1日、発売された。その中で、決勝試合のチケットが最高1万990ドル(約180万円)に設定されていることが明らかになった。サッカーの試合の一般入場券の正規販売価格としては、史上最高額だとみられている。
アメリカ、カナダ、メキシコの共同開催となる今年のW杯では、決勝戦は米ニューヨークのメットライフ・スタジアムで行われる。
3カ国による大会招致のガイドブックには、決勝戦のチケットは最高1550ドルになると記されていた。
しかし、昨年12月に各国の公式サポーターズクラブ会員向けの販売が始まった時、最も高額な「サポーター・プレミアム」のチケットは8860ドルだった。
この価格はさらに、4月1日に始まった最終販売で上昇した。
2022年のカタール大会の決勝戦では、最も高額な席が1604ドル(現在のレートで約26万円)だった。
大会を主催する国際サッカー連盟(FIFA)は、これまでチケットの価格体系を公表したことがない。そのため、今大会の実際のチケット価格を把握するのは難しい。
FIFAはまた、過去の需要に基づいて価格を変動させる、一種の「ダイナミック・プライシング」を利用している。
昨年末には、当初のチケット販売価格が「大きな裏切り」と呼ばれ、各国のサポーター団体などから批判を浴びた。これを受けてFIFAは12月、全104試合で「より手頃な」60 ドルのチケットを少数販売すると発表した。
こうしたなかで一般向けのチケットが発売されたことで、運営側が設定している価格の一端が、あらためて示された。
決勝試合の価格は?
カテゴリー別の価格や販売枚数に関する情報がないため、全体的なチケット価格を評価することは不可能だ。
FIFAのチケット販売サイトで、チケットの残数と提示価格を確認することは、大まかな指標にはなる。しかしこれだけでは、さらに高額のチケットが存在するのか、あるいはより手ごろなカテゴリーでより多くのチケットが用意されているのかは確認できない。
これまでに確認された範囲では、決勝戦の一般チケット価格は、昨年12月の販売時と比べて最大38%値上がりした。
1万990ドルのカテゴリー1のチケットを除くと、以下の通りとなる。
・カテゴリー2:5575ドルから7380ドルに、32.78%上昇
・カテゴリー3:4185ドルから5785ドル、38.23%上昇
FIFAは今回の「ラストミニット販売」期間の開始にあたり、どの試合が販売対象になるのか、いくらで販売されるのかを事前に一切告知しなかった。
販売にアクセスできた人々は、最も需要の高い試合、すなわち強豪チームの試合や、ノックアウトステージの重要な試合でチケット価格が上昇していることを知った。
また、2日に再開した公式再販プラットフォームでは、さらに高額の値段が付いている。
出品者の一人は、1枚のチケットに8万2780ドルを提示していた。
チケット購入で明らかになったこと
BBCスポーツは、イギリス夏時間の1日午後3時20分ごろ、サポーターと一緒に、W杯のチケット購入サイトの順番待ちに加わった。
サイトにアクセスすると、最初は待機メッセージが表示されていたが、午後4時になると「Almost there(あと少し)」というメッセージが添えられた赤い円に切り替わった。
午後5時にはカウントダウン表示が現れた。順番待ちの先頭まで残り2分だったが、突然時間が15分待ちに戻った。
実際にアクセスできた際には、数千人のサポーターと同じく、技術的な不具合に直面した。
早い時間にログインしたサポーターは、誤って「PMAチケット」の待機列に誘導された。これは、今週のプレーオフ勝者のファン向けに確保されたチケットだ。
さらに進むと、対象試合の販売に必要なコードを入力するページに案内された。
この誤りが判明した時点で、このサポーターたちは正しい仮想待機列の最後尾からやり直す羽目になり、魅力的な試合のチケットを確保する可能性は消え去ってしまった。
FIFAは、この不具合の理由を明らかにしていないが、午後5時までにはリンクが正常に機能していたと述べた。
正しい順番待ちに戻ってから、チケットページにアクセスできるまで6時間14分かかった。
購入サイトではこの日、72試合あるグループステージのうち35試合がチケット販売中と表示されていたが、イングランド戦、スコットランド戦、そしてノックアウトステージの全試合は、最初にアクセスした時点では一切割り当てがなかった。
開催国を除くと、第1〜第10シード国の試合のうち、購入可能だったのはオランダの1試合のみだった。
チケットの価格は140ドルから2985ドルまで幅があった。表示されていたチケット価格の平均は358ドルだった。
確認できたグループステージで最も高額な試合は、メキシコ対南アフリカの大会初戦で、2985ドルだったが、ただし、収容人数8万7000人のスタジアムの、ごくわずかな座席しか販売されていなかった。
BBCスポーツはまた、企業向けのホスピタリティーパッケージの内容を見ることができた。こちらでは、イングランド対パナマの豪華スイート(試合チケット24枚と飲食付き)は12万4800ドルで、1人あたり5200ドルだった。
各試合のチケット販売状況は常に変動しているようで、FIFAは、キックオフ直前までどの試合でも新たなチケットが販売される可能性があるとしている。
2日午前8時時点では、13試合が引き続き表示されていたものの、そのうち6試合は車いす利用者の同伴者向けチケットのみで、本来は一般販売されるべきではないものだった。
車いす利用者の同伴者向けに、FIFAが無料チケットを提供していないことが問題視されているの。同伴者はチケットを正規料金で購入する必要があり、隣り合った席になるとは限らない。
ほかに販売中のチケット数が最も多かったのは、6月13日のアメリカ対パラグアイの開幕試合で、カテゴリー1が1406枚、2735ドルでまだ販売されていた。
これ以外に比較的チケットが多く残っていたのは、カナダの第1試合目となるボスニアとの試合のみで、カテゴリー1の846枚が販売中で、価格は2240ドルだった。
決勝試合のチケット、公式再販サイトでも1300万円
FIFAの公式チケット再販プラットフォームは、2日に再開された。アメリカやカナダでの試合について、さらに高額の価格がつくことは当初から予想されていた。
一方、メキシコは、チケットを定価以上で転売することを法律で禁じている。
チケットを購入した人は、任意の価格で出品できる。ただしこれは希望価格で、実際にどれだけの金額が支払われているかを示すものではない。
BBCスポーツが再開直後に再販サイトへアクセスしたところ、決勝試合で最も高額なチケットは8万2780ドル(約1320万円)、一番安いものでも2万7000ドル(約430万円)だった。
イングランドの初戦となるクロアチアとの試合では、定価60ドルのチケットが1499ドルで掲載されていた。定価445ドルのチケットは6000ドルと表示されていた。
FIFAは、購入者と出品者の双方に、再販価格に加えて15%の手数料を課している。
英マンチェスター・メトロポリタン大学でスポーツ法を専門とするマーク・ジェイムズ教授は、今大会がニューヨーク州法のもとで運営されている以上、FIFAは価格に上限を設定できたはずだと述べた。
「州法は、無許可の転売を禁じているだけだ」とジェイムズ教授は指摘し、「FIFAは再販で、定価を上限とすることもできたはずだ」と話した。
「あるいは通常のやり方として、定価に各種手数料を加えた上限を設定することもできる」
「現在、多くの大会が、チケットを購入・販売、譲渡、交換、あるいは場合によっては返金できるような公式プラットフォームを整えようとしている」
「しかし今回は、大規模なスタジアムで膨大な数の試合が行われる。これほどの規模となった例はこれまでにない」
「FIFAのチケット販売に新たな汚点」とサポーター
FIFAのチケット販売手続きは、混乱と論争を招いている。
価格体系が示されず、販売期間についての事前情報もほとんど公表されていないため、サポーターがW杯の観戦計画を立てるのが難しくなっている。
イギリスのサポーター団体「フットボール・サポーターズ・アソシエーション」でイングランド代表のアウェー試合でのファン大使を務めるトーマス・コンキャノン氏は、「まるで極秘扱いだ」とBBCスポーツに話した。
「サポーターは、自分がどういう状況に置かれているのか、まったく分からない状態だ」
こうした状況は4月1日にも変わらなかった。「ラストミニット販売」に関する詳細は一切示されず、ファンはサイト上で誤った仮想待機列に案内された。
「FIFAのチケット販売に、また新たな汚点が加わった」とコンキャノン氏は述べた。「大会全体を通して、この問題が繰り返されてきた」
同氏は、Wカップ観戦にかかる総費用について、数試合だけでも「総額で数千ポンド、場合によっては1万ポンドを超える」と述べた。
「人生で、Wカップに行ける機会は一度しかないことがある」、「多くの人にとって今回がその機会だったが、費用の問題で行くことができなくなる」と、コンキャノン氏は話した。
スコットランド出身のサポーター、アラン・ロス氏は、1日の販売でチケットを確保できなかったが、再挑戦はせず渡航を休暇として扱うつもりだと述べた。
アラン氏は、順番待ちシステムやチケットをカートに追加する手続きで多くの問題に直面したという。
「またアクセスし直そうと思ったが、やはり休暇は良いものにしたい」と同氏は語った。「アメリカに行くときは、楽しむための気持ちで向かいたい。
雰囲気を味わいに行くし、休暇として行く。FIFAに対して嫌な気持ちを抱えたまま行きたくない」
「これはまさに狂気そのものだ。だからもう追いかけるのはやめる」