レバノンでキリスト像を破壊したイスラエル兵、30日間の軍事拘留に

画像提供, Israel Defense Forces
ヤロスラフ・ルキフ
レバノン南部で、イエス・キリストの像をイスラエル兵が大型ハンマーで破壊した問題で、イスラエル国防軍(IDF)は21日、像を破壊した兵士と、その様子を撮影した兵士を、30日間の軍事拘留に処すると発表した。
調査の結果、兵士2人は「戦闘任務から外される」ことになったとも、IDFは説明した。2人の氏名は公表されていない。
また、現場に居合わせながら、介入や報告をしなかった別の兵士6人については、別途対処するとした。
イスラエル兵がキリストの像を殴っているように見える画像はインターネットで広く拡散され、強い非難を招いた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、この出来事に「衝撃を受け、悲しんでいる」と述べていた。
IDFは21日の声明で、この出来事について調査した結果、「兵士たちの行為はIDFの命令と価値観から完全に逸脱していたと判断した」とし、「この出来事について深い遺憾の意」を表明した。
また、IDFの部隊が「地元コミュニティーと全面的に連携して」、少し前に像を交換したとも説明した。
レバノンでの作戦については、イランの支援を受けるイスラム教シーア派組織ヒズボラや「そのほかのテロ組織」に対して「のみ」実施しているもので、「レバノンの民間人に向けたものではない」と、IDFは強調した。
地元住民によると、破壊されたのはレバノン南部デベル村郊外の住宅の外に設置されていた像。デベルは、イスラエルとヒズボラの戦争が続く中で住民が残っている数少ない村の一つだという。
デベルのカトリック教会の責任者、ファディ・フライフェル神父はBBCに対し、「私たちの聖なる象徴である十字架、そしてすべての宗教的象徴への冒涜(ぼうとく)を全面的に拒否する」と述べた。
さらに、「これは人権宣言に反し、文明性を反映していない」と語り、過去にも同様の行為が起きていたと主張した。
今回の事案をめぐっては、イスラエルの最も重要な同盟国であるアメリカのマイク・ハッカビー駐イスラエル大使も非難の声を上げている。ハッカビー氏は20日、「言語道断な行為」と形容し、「迅速で厳しく、かつ公的な措置が必要だ」とソーシャルメディアに投稿した。
ネタニヤフ首相は、この事案について、「そして、レバノンおよび世界中のキリスト教徒が受けたあらゆる苦痛について」遺憾の意を表した。

画像提供, Reuters
イスラエルとレバノンは17日、アメリカの仲介で一時的な停戦で合意したが、現在も数千人のイスラエル兵がレバノン南部の広範な地域を占領している。
この停戦により、IDFとヒズボラの間で続いていた6週間の戦闘は一時停止されたが、双方は互いに停戦違反があったと非難し合っている。
ヒズボラは、イスラエルとアメリカが2月末にイランに対する戦争を開始した2日後、イランを支援するためとして、イスラエルへのロケット弾発射を開始した。
イスラエルは3月2日にヒズボラへの軍事作戦を開始。レバノン当局によると、これまでに100万人以上のレバノン人が家を追われ、子ども177人と医療従事者100人を含む2290人以上が殺されたという。一方、イスラエル当局によると、同じ期間にヒズボラの攻撃でイスラエル兵13人と民間人2人が殺害されたという。






