ホルムズ海峡再開に向けイランへの制裁検討する動き、イギリス主導の会合に40カ国以上が参加
画像提供, Reuters
ハフサ・ハリル記者、リチャード・ウィーラー政治記者
イギリスのイヴェット・クーパー外相は2日、ホルムズ海峡の再開をイランに迫るため、イギリスとその同盟国が制裁措置の可能性を探ることで同意したと発表した。
クーパー外相がこの日、主催したオンライン会合には40カ国以上の代表が参加。この会合は、湾岸地域の海上輸送路の安全確保を目的とする連合形成に向けた取り組みの始まりと位置付けられている。
クーパー氏は、イランが国際的な海上輸送路を「ハイジャック」し、「世界経済を人質」に取れるようにしていると述べた。
この会合にアメリカは参加していない。
イランは、アメリカとイスラエルから仕掛けられた戦争への対応として、これまでに複数の船舶を攻撃している。その結果、エネルギー輸出が混乱し、世界の燃料価格が急騰している。
協議の焦点は「外交措置」だと強調
クーパー氏は、協議の焦点は軍事的手段ではなく外交措置だと強調。各国は海峡を再開するために「可能な限りあらゆる外交的、経済的、調整された措置」を駆使したい考えだと述べた。
また、検討されている措置には、国連を通じた圧力強化、海峡が閉鎖されたままの場合にイランへ「圧力を加える」制裁の可能性の検討、そして国際海事機関(IMO)との連携による、戦争初期に海峡で動けなくなったままの船舶を再航行させるための取り組みが含まれるという。
「イランによるホルムズ海峡の閉鎖は、世界の繁栄に対する直接の脅威だ」とクーパー氏は述べ、その重要性について、湾岸諸国の交易路、アジア向けのエネルギー輸出、そしてアフリカの農業向け肥料供給など複数の分野を挙げた。
そのうえで、「イランはホルムズ海峡で世界経済を人質に取ろうとしている。イランに成功させてはならない」、「そのために参加国はきょう、海峡の即時かつ無条件の再開と、航行の自由および海洋法の基本原則の順守を求めた」と述べた。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は1日、航路の再開について、イギリスなどの同盟国は「先延ばしにしてきた勇気を奮い起こすべきだ」と述べた。
トランプ氏はまた、同盟国がもっと早く「その対応を終えるべきだった」と述べたほか、「自分でホルムズ海峡を通って行けばいい。あそこまで行って、自分たちでやりくりすればいい」と語った。
アメリカはこれまで繰り返し、同盟国が海上輸送路の安全確保やアメリカの戦争遂行への支援に十分な役割を果たしていないと非難してきた。イギリスなどの国々は、この戦争により広範に関与することなく、海峡の安全確保にどう取り組むかを模索している。
2日の協議終了後に発言したクーパー外相は、イギリス政府は「アメリカや他国の優先事項や事情に基づかない」判断を行い、自国の国益に沿って行動していると述べた。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、軍事力を用いて海峡を再開するのは「非現実的だ」と述べ、「我々はその選択を一度も選んでこなかった」と話した。
韓国訪問中に発言したマクロン氏は、海峡再開は「イランとの協調でのみ実現できる」ことだと強調。「そのため、まず最初に必要なのは停戦であって、交渉の再開だ」と述べた。
英首相官邸は、2日の会合に出席した参加者の一覧を公表していないが、アメリカが代表を出す見通しはなかった。
一方で、3月中旬にイラン軍に対し商船への攻撃停止を求める共同声明に署名した国々が参加したとみられている。これには一部の湾岸諸国に加え、フランス、ドイツ、日本、オーストラリアなどが含まれる。
この時の声明で各国は、「我々は、ホルムズ海峡における安全な航行の確保を目的とした適切な取組に貢献する用意があることを表明する」とし、「準備計画に取り組んでいる国々のコミットメントを歓迎する」と述べていた。
キア・スターマー英首相は今回のオンライン会合の前日、海峡の再開に向け「利用可能なあらゆる外交的手段を検討している」と発言。また、戦闘が終わった後に「海峡を利用可能で安全な状態にするために将来的に何ができるか」を、イギリスの軍事計画担当者が検討すると明らかにした。
こうしたなか、各国政府は、エネルギー価格の上昇が生活費におよぼしている影響への対応を迫られている。ホルムズ海峡では通常、世界の石油と天然ガスのおよそ2割が通航する。
開戦前は1バレル当たり73ドルだったブレント原油は、ここ数週間で100ドルを大きく上回る水準まで跳ね上がっている。
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