オリンピックの女子種目、生物学的な女性に出場限定 IOCが方針示す
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オリンピック(五輪)の女子種目は、2028年米ロサンゼルス夏季大会から、生物学的な女性のみに出場が限定されることになった。国際オリンピック委員会(IOC)が26日、発表した。出まれた時の性別が男性で、女性を自認するトランスジェンダーの女性や、男性としての思春期を経た、性分化疾患(DSD)がある人は出場できなくなる。
IOCによると、選手の出場の可否は「一生に一度」の性別判定検査で決定される。検査では遺伝子を調べるという。
カースティ・コヴェントリーIOC会長は、今回の方針について、「医療専門家らによって導き出された」と説明。「オリンピックでは、ごくわずかな差が勝敗を分けることがある」、「したがって、生物学的な男性が女子部門で競うのは公平ではないのは明白だ。さらに、一部の競技では単に安全ではない」と述べた。
これまでIOCは、性別をめぐる出場資格の規定について、一律の基準は適用せず、各競技の統括団体に委ねてきた。
陸上競技、水泳、自転車競技、ボート競技では、女子種目に関して出場禁止措置が導入された。一方で他の多くの競技では、男性ホルモンのテストステロンのレベルを下げることを条件に、トランスジェンダーの女性の女子種目への出場が認められてきた。
2020年東京五輪では、重量挙げ女子でローレル・ハバード選手(ニュージーランド)が、トランスジェンダーであることを公表している選手として初の五輪出場を果たした。
しかし、2024年パリ五輪では、出場禁止措置が取られたため、女子部門に出場したトランスジェンダー女性は確認されていない。
性分化疾患の選手も禁止対象に
IOCの出場禁止措置は、性分化疾患(DSD)があるほぼすべての選手も対象になる。DSDでは、身体の性を構成する染色体、性腺、内外生殖器のいずれか、あるいはその組み合わせが、生まれつき非典型的というまれな状態となっている。
英紙ガーディアンは昨年9月、2000年以降の陸上競技の国際大会において、男性としての思春期を経た選手50~60人が女子部門の決勝に進出していたと報じた。
これまでは、男性的な思春期を経たDSDの選手は、テストステロンの値を一定レベル以内に抑えることを条件に、女子競技への出場が認められていた。
BBCのダン・ローアン・スポーツ編集長は、今回のIOCの方針について、女子のカテゴリーの公平性と安全性の確保のため、統一的な出場禁止措置が不可欠だと長年考えてきた多くの人々から歓迎されるだろうと説明する。
一方で、性別検査という手法は人権侵害的で、心理的な傷や苦痛を生む恐れがあり、偶発的な汚染や偽陽性のリスクも依然あるとの指摘もある。
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