ウクライナのドローン、ロシア隣国エストニアとラトヴィアに落下 負傷者なしと両国
画像提供, Estonian Public Broadcasting
エストニアとラトヴィアに25日未明、国境を接するロシア側からウクライナのドローン数機が侵入した。エストニアでは1機がインフラ施設に衝突し、ラトヴィアでは1機が地上に墜落した。両国の当局がそれぞれ発表した。
エストニア・アウヴェレでは、発電所の煙突にドローン1機が衝突した。ラトヴィア南部クラスラヴァ地方では、ドローン1機が墜落して爆発した。
大きな損傷や負傷者は報告されていない。
この出来事は、ウクライナが、エストニア国境から約25キロメートルのバルト海沿岸に位置するロシアのウスチ・ルガ港に、大規模なドローン攻撃を仕掛けたのとほぼ同時刻に起きた。
エストニアのクリステン・ミハル首相によると、ウスチ・ルガ港では現地時間25日午前3~8時に3度攻撃があった。これを受け、バルト諸国の航空パトロールが展開され、エストニア国民には携帯電話を通じて「ドローンの脅威」を知らせる警告が届いた。
エストニア治安警察のマルゴ・パロソン本部長は、「ウクライナのドローン1機は、おそらくロシア領空内で何らかの影響を受け、進路を外れた」とみられると説明した。
ラトヴィアのエドガルス・リンケーヴィッチ首相も、自国領内に墜落したドローンがウクライナのものであることを認めた。
この事案を受け、同国のアンドリス・スプルーツ国防相は、ウクライナ訪問を途中で切り上げて帰国した。
ラトヴィアのエギルス・レシンスキス統合参謀本部副議長は、ドローンについて、「進路を外れた、あるいは技術的に重要な施設を保護するための電磁波戦措置の影響を受けた可能性が高い」と説明した。
ドローンは、全地球測位システム(GPS)が妨害システムの干渉を受けると、標的を外すことがある。
住民はもう安全だと受け止めていいのかとの質問に対し、レシンスキス氏は、「近隣諸国で軍事作戦が行われている状況下では」、誰も「完全に安全だと感じることはできない」と述べた。
レシンスキス氏は、この出来事をめぐりロシアやウクライナを非難することは避け、発電所の煙突に衝突したドローンは「ロシアの全面侵略戦争の影響」の一つと述べるにとどめた。
前出の、エストニア治安警察のパロソン本部長は、同国で今後「同様の事案が増える」可能性が高いと警告した。一方、同国のミハル首相は、「ロシアとの国境に壁を築けるという幻想を抱くのは無意味」だと述べた。
直前にはリトアニアにも飛来
ラトヴィアと国境を接するリトアニアでも23日夜、ベラルーシ国境近くにウクライナの攻撃用ドローンが墜落・爆発するという同様の出来事が起きた。
リトアニア当局はその後、このドローンが、23日夜の対ロシア作戦の一環として発射されたものだったと確認し、ウクライナ側と状況について協議すると説明した。
リトアニアのケスタティス・ブドリス外相は、「ここは我々にとって非常に繊細かつ重要な地域だ。(中略)すべての国が領空の安全を確保し、リスクを確認した場合は他国に通知しなければならない。ベラルーシも同様に行動している」と述べた。
ロシアのウスチ・ルガ港は、主要な石油輸出ターミナル。ドローン攻撃によって火災が発生したが、その後鎮圧したと、当局は発表した。
今週初めにも、ウクライナはバルト海沿岸のロシア・プリモルスク港を標的とした攻撃を実施した。ウクライナは定期的に、製油所や港湾、タンカーなど、ロシアのエネルギー関連施設をドローンで攻撃している。
ウクライナは25日未明、モスクワ州を含むロシアの複数地域に向けて、400機近いドローンを発射した。
一方、ロシアは24日にかけての24時間で、ウクライナ各地にドローン948機を発射した。ロシアが1日で実施した空爆としては、ウクライナでの戦争が始まってから最大規模のものだった。この攻撃では複数の死傷者が出た。
トップ記事
注目の記事
このコンテンツは開けません