森英恵さん、96歳で死去 世界的ファッションデザイナー

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画像説明, 森英恵さん(中央)はアジア出身者として初めて、パリのオートクチュールの会員になった(写真は2004年7月、パリ)

羽根をモチーフにしたデザインで知られ、「マダム・バタフライ」と呼ばれたファッションデザイナー、森英恵さんが死去した。96歳だった。

報道によると、森さんは8月11日、老衰のため東京の自宅で死去した。葬儀は近親者で行った。

森さんは、1977年に日本およびアジア出身者として初めて、高級ファッションの最高峰団体とされるパリのオートクチュールの会員になったことで有名。

森さんは1926年に島根県で生まれ、東京女子大学を卒業した。

1951年に東京のラーメン店の上階に、最初のアトリエを開いた。1960年代にパリを旅行中、ココ・シャネルさんに出会ったことが、キャリアの「転換点」だったと述懐していた。シャネルさんからは、女性が周囲に溶け込むのではなく、目立つようなデザインをすべきだとインスピレーションを受けたという。

森さんはその後、グレース・ケリーさんなど米ハリウッドの有名人や、ナンシー・レーガンさんなどの著名人のドレスを手がけた。1993年には、皇太子徳仁さま(現天皇)と結婚した雅子さま(現皇后)のローブデコルテを作った。

東洋と西洋をミックス

チョウのプリントをあしらった服を多く生み出し、キャリアウーマンたちにも人気だった。森さんがファッション界で頭角を現し始めたころは、女性が企業のトップに立つことはまだ珍しく、世界的に名の知れた企業では、なおさらまれだった。

森さんのデザインは、日本の着物にインスピレーションを受けたドレスなど、東洋と西洋の要素を交ぜ合わせたものが多かった。

能や歌舞伎などの舞台衣装も手がけ、1985年にはオペラ「マダム・バラフライ(蝶々夫人)」の衣装を担当した。

2002年、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章を受章。

今年1月には、読売新聞のコラムで、次のようにファッションへの思いを表現していた。

「ファッションは、ある時は勇気を与え、冒険させてくれるもの」

50年近く連れ添った夫の森賢さんを1996年に亡くした。子どもは息子が2人。孫娘の森星さんと森泉さんはファッションモデルをしている。

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画像説明, 2018年のアマゾン ファッション ウィーク東京で発表された森さんがデザインした服

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画像説明, 孫娘の森星さん(左)と並んで立った森さん(2016年)

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画像説明, 1998年のパリの秋冬物のショーでモデルたちから拍手を受けた森さん

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画像説明, 1991年のパリの秋冬物のショーでは、森さんはエディット・クレッソン首相(当時、左から2人目)と並んで座った

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画像説明, 森さんがデザインしたチョウのプリントをあしらったドレスを着た俳優グレース・ケリーさん(左、1977年)

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画像説明, 1972年にロンドンの日本大使館で開かれたファッションショーで、湯川盛夫大使(当時)の妻(右)にデザインを説明する森さん