ジョー・マローン氏、ザラとのコラボ商品に自分の名前を使用し提訴される 商標権侵害と契約違反で

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イギリス人調香師ジョー・マローン氏は11日、スペインのファッションブランド「ザラ」とのコラボ商品に自分の名前を使用したとして、米化粧品大手エスティ・ローダー・カンパニーズに提訴された。同社が12日に明らかにした。
エスティ・ローダーは1999年、マローン氏の名前を冠した香水ブランド「ジョー マローン ロンドン」と、同氏の名前の使用権を買収した。
ザラとコラボレーションしたのは、マローン氏の新ブランド「ジョー ラヴズ」だ。しかしエスティ・ローダーは、商品パッケージに「ジョー ラヴズの設立者ジョー・マローンCBE(大英帝国勲章司令官)による創作」と、マローン氏の名前が使用されていることを問題視。マローン氏本人と「ジョー ラヴズ」、ザラのイギリス法人が、商標権侵害および契約違反をおかしたとしてイギリスの裁判所に提訴した。
BBCはマローン氏にコメントを求めている。ザラの英法人はコメントを拒否した。

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ザラと「ジョー ラヴズ」のコラボレーションは2019年に始まった。
マローン氏は以前、自身の名前を商業目的で使用する権利を売却したことを後悔していると述べていた。
1999年の売却では、マローン氏は、香水のマーケティングを含む商業目的で「ジョー マローン」という名称を使用しないという条件に合意している。
今回の提訴について最初に報じた英経済紙フィナンシャル・タイムズによると、エスティ・ローダーは、他社の商品を模倣し、顧客に誤認させて自社商品を買わせる「パッシング・オフ」に対する法的措置も取っているとされる。
マローン氏の名前を冠した香水ブランドは1990年代初頭に創業し、イギリスの自然や花々に着想を得た独自の香りで人気を博した。同ブランドはその後、香りつきろうそくやバス用品にも事業を拡大した。
エスティ・ローダーの広報担当者は、マローン氏が香水ブランドを売却した際について次のように述べた。「彼女は、香水のマーケティングを含む一定の商業的文脈で『ジョー マローン』という名称を使用しないことを盛り込んだ、明確な契約条件に合意した」。
「彼女は本合意の一環として補償を受け、長年にわたりその条件を順守してきた」
「当社は、マローン氏が新たな機会を追求する権利を尊重する。しかし、法的拘束力のある契約上の義務を無視することはできない。これらの条件が破られた場合、当社は数十年にわたって投資し築き上げてきたブランドを守ることになる」
専門家の1人は今回の出来事について、イギリスのダイアナ元妃のウェディングドレスのデザイナーを巻き込んだ法廷闘争と類似しているとBBCに話した。デザイナーのカレン・ミレン氏とエリザベス・エマニュエル氏は、エマニュエル氏の当時の夫と共に元妃のドレスを手掛けたが、2人は事業売却後に商業的文脈で自分の名前を使用する権利を失った。エマニュエル氏はその後、長い年月を経て権利を取り戻した。
英法律事務所ハーパー・ジェイムズの商標部門責任者ベン・エヴァンズ氏は、「イギリスの裁判所は、(権利の)売り手が同意した条件を支持する傾向にある。たとえその条件が、個人が商業的に自分の名前を使う能力を制限するものであっても」と指摘する。
「しかし重要なのは当初の合意の詳細だ。どの権利が売却され、どのような制限に合意したのか。そして、その制限をどれくらいの範囲に適用することを意図していたのかという点だ」





