米司法省、ロシア疑惑で有罪認めたトランプ氏側近と和解 不当起訴の訴訟で

画像提供, Getty Images
米司法省は25日、ドナルド・トランプ米大統領の第1次政権初期に国家安全保障問題担当の補佐官だったマイケル・フリン氏が、いわゆるロシア疑惑の捜査において不当に起訴されたと米連邦政府を訴えていた訴訟で、和解金の支払いに合意した。金額は、裁判所資料では明らかにされていないが、一部の米メディアは125万ドルや120万ドルと報じている。
司法省の報道官は、今回の和解は「歴史的な不正」を正したものだと述べた。「ロシア共謀疑惑というでっちあげを仕掛けた者たちは、アメリカ国民を欺き、トランプ大統領とその支持者の名誉を傷つけるため、権力を乱用した」とも、報道官は主張した。これは、2016年米大統領選にロシア政府が介入したかどうかを調べた、米連邦捜査局(FBI)による捜査を指している。
司法省報道官はさらに、「今後もあらゆるレベルでこの不正行為について、責任を追及し続ける」と述べた。
フリン退役陸軍中将は声明を発表し、「どれほどの金銭や正式な決着を得たとしても、そもそも行われるべきでなかった起訴による苦痛は、決して消えない」と述べた。一方で、今回の和解は、トランプ政権下の司法省が「党派対立を理由に動いた者たちに、必ずや説明責任を負わせる方針」だと示す証しだと評価した。
フリン氏は、2016年大統領選でのトランプ氏の選挙活動に自分が関わったことを理由に、司法省が自分を標的にしたと主張して、2023年に同省を訴え、損害賠償金5000万ドルを請求していた。
トランプ大統領は第1次政権の冒頭で、フリン氏を大統領補佐官(国家安全保障担当)に任命した。しかし、フリン氏は2017年2月、就任わずか23日でその職を辞任。トランプ大統領の就任前に、セルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使などと接触していた問題をめぐっての、事実上の解任だった。その後、いわゆるロシア疑惑に関する捜査の中で、FBIに虚偽の供述をした罪で起訴され、2017年12月にはワシントンの連邦地裁で有罪を認めた。
この捜査は、ロバート・ムラー特別検察官(当時)が主導した。
しかしその後、フリン氏は有罪陳述の撤回を求め、政府による「不誠実と報復と司法取引違反」を主張した。トランプ政権下でウィリアム・バー司法長官(当時)が率いた司法省は2020年5月、起訴を取り下げた。
トランプ氏はフリン氏は無実だと繰り返し擁護し、2020年11月に恩赦を与えた。
2023年に政府を提訴したフリン氏は、司法省が自分を「政治的な標的にした」と主張。FBIによる起訴に向けての取り調べは、実施方法が不適切だったとも訴えた。
和解金の額を含む今回の和解の条件は、裁判記録には開示されていない。連邦政府とフリン氏は、同じ内容による再提訴ができない形で裁判所が今回の訴えを退けることでそれぞれ合意した。弁護士費用はそれぞれが負担することになった。
今回の和解は、政府に多額の支払いを求める動きが相次ぐ中でのもの。米紙ニューヨーク・タイムズによると、トランプ大統領自身も自分に対する捜査をめぐり司法省に2億3000万ドルの損害賠償を請求している。司法省は、2020年大統領選の結果を覆そうとした罪と、機密文書を違法に扱った罪で、トランプ氏を起訴したが、同氏の再選後に起訴を取り下げた。
トランプ大統領とその政治的な仲間たちからの支払い請求について、トランプ政権の対応が注視されている。











